気候変動への取り組み

気候変動について

  • 2015年12月国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択され、脱炭素社会へ世界全体が動き出しました。
  • パリ協定は「世界の平均気温の上昇を工業化以前よりも2℃(努力目標1.5℃)未満に抑制」、「21世紀後半までに世界全体でカーボンニュートラル」を目指す国際条約です。
  • 先行される欧州では脱炭素社会を見据えた基準や政策が開始しています。日本においても「2050年までにCO2排出量実質ゼロ」が目標となるなど、気候変動課題を始めとした環境への取り組みが話題となっています。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同

NBFMは2021年2月に「ESGに関する取り組み指針」を改訂し、気候関連課題への取り組み強化を明確化するとともに、TCFDに賛同することで、今後気候変動がもたらす「リスク」と「機会」の財務的影響を把握し、積極的に開示していく方針です。

ガバナンスとリスク体制

NBFMは「ESGに係る取り組みに関する規程」に従い、NBFMの代表取締役社長を委員長とした「ESG推進会議」を構成しており、年に1度以上の頻度でESGに係るリスク及び機会についてモニタリングを実施するとともに、その管理・軽減に向けた施策の実施や目標・KPI設定等について委員長が決定します。

NBFに関連する気候関連リスク

NBFMではNBFの不動産投資運用事業に関連して財務的な影響を及ぼす可能性のある気候関連のリスクについて、各本部において横断的に検討を行い、下表の通り事業に関連するリスクについて特定しました。

リスク分類 カテゴリ 時間軸(*1) 特定されたリスク
移行リスク 政策
法規制
長期
  • 省エネ法、温対法、東京都総量規制等の現行法規制や、今後の削減義務の更なる強化導入時における対応のために、追加的に炭素クレジット購入やポートフォリオ物件の改修などのコストが発生するリスク
  • 炭素税等の導入に伴い、CO2排出権購入或いはエネルギー調達価格に追加コストが発生するリスク
技術 短期
  • 電気自動車等の低炭素新技術製品の普及に伴うビル設備への要求仕様の変化のリスク
市場 長期
  • 規制強化やテナント選好の変化等を背景にビルの環境性能が稼働率やCF(キャッシュフロー)、保有資産の価値に大きく影響するようになり、環境性能が相対的に低い保有ビルに対して予定外の損失が発生するリスク
  • 環境規制強化等の対応事項の増加により、PM(プロパティマネジメント)等への業務委託費用が想定外に増大してしまうリスク
評判 短期
長期
  • 投資家・金融機関からの資金調達において事業のESGの構成・要素やポートフォリオのグリーン性能に関する要求水準が高まり、市場水準よりも相対的に不利な条件・金利等でしか資金調達出来なくなってしまうリスク
  • 投資家あるいは一般社会からNBFの気候関連課題への対応姿勢についてネガティブなイメージを持たれることによるレピュテーション低下のリスク
物理リスク 急性 短期
長期
  • 豪雨災害発生時の洪水(河川氾濫等)による設備への損害リスク
  • 災害発生時のオフィスビルでの帰宅困難者の発生リスク
  • 災害頻度・程度の増大に伴う損害保険料の改訂による短期的な損失発生のリスク
  • 災害の頻発や激甚化によるNBFM・NBFオフィスマネジメントの業務継続性への影響のリスク
慢性 短期
長期
  • 天候不順日の増加(猛暑・極寒・暴風雨・大雪)に伴いビル利用者の行動が変化(リモートワーク等が促進)し、店舗区画への営業的な影響を与えるリスク
  •  短期=2030年までに、長期=2050年頃までにそれぞれ対応を検討

これらの気候関連リスクのうち、特に事業への影響が大きいと思われるものについては、後述の通りNBFにおけるリスク状況の把握、リスク管理・軽減に向けた取り組み・戦略を講じています。

移行リスクへの対応

a.政策法規制に係るリスク

リスク状況の把握

NBFは一定以上の規模でエネルギーを消費し、多くのGHG排出をしている事業者として省エネ法、温対法、東京都総量規制などの国内規制の対象事業者となっており、省エネルギーやGHG排出量の報告、それらの改善・削減についての義務を負っています。これらの義務違反については行政等からの指導及び最大100万円以下の罰金・公表等のペナルティが設けられています。
 特に先進的な削減義務が設定されている東京都総量規制(東京都C&T制度)の対象となっている物件は7件(ポートフォリオの16.5%、2021年6月末時点)であり、これらの保有物件においては2024年までに平均27%削減、2024年から2029年までの間に平均35%削減の削減義務が課されています。

リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • エネルギー消費原単位/GHG排出原単位目標の設定
  • 保有ビルへの計画的な省エネルギー改修
  • 日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社と共同での省エネウォークスルー
  • テナントエンゲージメントを通じた省エネ啓発、グリーンリースの推進
  • 再エネの導入

NBFはこれらへの対応として、現時点で脱炭素化のための保有物件の省エネルギー性能改善を順次行っており、およそ10年間で20億円程度の対策工事費用を計画しています。

一方で、気候変動の影響から、現時点よりもエネルギー消費状況及びそれに伴うGHG排出量が想定よりも増えた場合や、政策的に削減義務水準が強化された場合には、現状の計画では削減義務未達となってしまう可能性も考えられます。その場合には、追加的な対策工事や、排出権クレジットの購入などのコストが必要となるリスクがあります。このリスクは、2050年までにカーボンニュートラルという政策目標を踏まえると、今後10年以内に顕在化する可能性のあるリスクであると考えています。

取り組み事例

計画的なLED導入によるCO2排出量の削減

  • 計画的なLED化の推進
  • グリーンリースの啓発
  • 再生可能エネルギーの導入

b.不動産市場の変化に係るリスク

リスク状況の把握
  • 規制強化、テナント選好変化を背景に環境性能が不動産価格に影響し、低性能ビルの資産価値に損失発生のリスク
リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • 保有ビルへの計画的な省エネ改修、新商品・技術の導入
  • 日建設計と共同での省エネウォークスルーと環境性能モニタリング
  • 各種外部認証、格付の取得・維持
  • スポンサーとの物件入れ替え戦略
  • テナントニーズの評価とモニタリングによる物件価値の維持向上
取り組み事例

物件入れ替えによる環境性能と築年数の改善

第33期〜第34期にかけて実施した大規模入替事例

c.金融市場のグリーン化に係るリスク

リスク状況の把握
  • ESGに関する投資家からのエンゲージメントの増加
  • J-REITや国内外でグリーンファイナンス、気候ファイナンスの普及
  • 今後ESGを重視する投資家の要求水準が向上し、それに対応できない場合には投資口価格の低下やレピュテーションが悪化するリスク
  • ファイナンスにおけるNBFのESG評価、保有資産のグリーン性能に応じた条件・金利設定により不利益が生じるリスク
リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • ESG開示による透明性の確保
  • 各種外部認証、格付の取得・維持
取り組み事例

J-REIT初のESGレポート発行

  • NBFおよびNBFMはJ-REITで初めて2017年にESGレポートを発行しました

DBJ Green Building認証の積極的な取得

  • NBFはDBJ Green Building認証の取得を行い、保有資産のグリーン性能を開示しています
  • 2021年6月末時点において持分延床面積の約74.4%で3つ星以上を獲得しています

物理リスクへの対応

a.自然災害による建物の損害

リスク状況の把握
  • 気候変動により降雨量の増大、豪雨イベントの増加や激甚化が予想されており、それらによる保有資産の損害発生リスク
  • 現在洪水対策としてハザードマップに基づく浸水対策
  • 国内ハザードマップ(想定最大規模)は1000年に一度の規模の洪水を想定されており、気候変動により頻度そのものが変わるリスク
リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • 取得時及び保有期間中における定期的な災害リスク評価
  • 浸水対策計画の策定及び実施
  • 保有全物件に対する非常用設備の充実
  • 物件ごとのBCP体制の整備
取り組み事例

非常用発電設備の充実(NBF品川タワー/2019年)

b.気候災害発生時のNBFの事業継続性

リスク状況の把握
  • 気候変動の進行に伴い自然災害は頻発化、激甚化するリスク
  • 通常のオペレーションを前提とした当社従業員や取引先による営業活動が妨げられるリスク
  • 財務的な影響があるものとしては、決算遅延による投資価格への影響や、テナントからの未収金増加によるデフォルトリスク等
リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • テレワークの積極活用等従前からのオペレーションの見直し
取り組み事例

テレワークの積極的な活用

  • NBFMでは全従業員(派遣含む)にノート型PCを支給し、テレワーク体制を整備
  • リモート会議システムを導入し、積極的に活用

リモート会議の様子

c.慢性的な気候パターン変化によるビル利用者の行動変化

リスク状況の把握
  • 慢性的な気温上昇、天候不順日の増加等の気候変動の影響をうけ、ビル利用者の数が減少するリスク
  • 店舗区画への営業上の影響、オフィスニーズの変化のリスク
    • 一方、現行のNBFのポートフォリオではその性質(都心部、ハイグレードな本社向けビルなど)からニーズ変化の影響を受ける可能性は低いと想定
リスク管理・軽減に向けた
その他の取り組み
  • オフィス需要のモニタリング
取り組み事例

定期的な不動産賃貸マーケットのモニタリング

  • 三井不動産/営業部より営業状況報告に加え、他社成約事例等について情報交換(毎月)
  • 仲介業者やシンクタンクからのオフィス賃貸マーケット情報の提供(年2回)
  • テナント向け満足度調査の実施(年1回)

指標と目標

環境目標をご参照ください

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